【良い子悪い子】


ひょんなことから自分の中の天使と悪魔が見えるようになって・・・。


〚ご注意〛

・アドリブ大歓迎!常識の範囲内であれば、何をやっても大丈夫です。

・性別不問

・一人称、語尾等は変更可です。



‪《登場人物》

①素直(すなお)性別不問

車に引かれそうになって、天使と悪魔が見えるようになった。


②津込(つこみ)性別不問

素直に困らせられる人。


③天使(てんし)性別不問

心の中の天使。


④悪魔(あくま)性別不問

心の中の悪魔。




-------❁ ❁ ❁-----ここから本編-----❁ ❁ ❁-------





(病室)


素直:「・・・ん・・・?」

津込:「・・・あぁ!素直!気がついたんだ!」

素直:「・・・え?何?ここ・・・病院?」

津込:「そうだよ!」

素直:「え?・・・なんで?」

津込:「なんでって・・・、素直、車にひかれそうになって、ギリギリでよけて、よけた先で子供とぶつかりそうになって、それもまたギリギリでよけて、

よけた先で今度は側溝にハマって、あわあわしてたら傍の林から突然近くの幼稚園から逃げてきたうさぎが出てきて、『かーわーいーいー♪』とか言いながら捕まえようとしたお前は、ビビったうさぎに蹴られて失神したんだよ。」

素直:「・・・え?なんて?」

津込:「いやぁ、まさかうさぎに蹴られて失神なんてなぁ。さすが素直だよなぁ(笑)。」

素直:「うさぎ?」

津込:「ケガなんて全くないのに、救急車呼ばれちゃってなぁ。今に至るわけだよ。」

素直:「うさぎかぁ。」

津込:「医者に診てもらったけど、やっぱり何でもなかったからもう帰っていいってよ。」

素直:「うさぎ、もふもふしたかったなぁ・・・。」

津込:「・・・は?」

素直:「うさぎだよ〜。うさぎに出会えるなんて、めちゃめちゃ幸運だよ!はぁ〜、もふもふしたかった・・・。」

津込:「いや、とりあえず五体満足であったことを喜べよ。」

素直:「私、うさぎ好きなんだよねぇ。」

津込:「知らねぇよ!

とにかく、帰るぞ!帰り支度しろ!」

素直:「・・・ところで、津込の横に飛んでる、そのちっこいのは何?」

津込:「・・・は?」

素直:「2匹いるけど、津込ペット飼ったの?病院はペット禁止だと思うよ?」

津込:「・・・何言ってんだ?」

素直:「ほら、手振ってる。」

天使:「(ニコニコしながら手を振る)ふふふ。」

悪魔:「(ニヤニヤしながら腕を組む)へへへ。」

津込:「頭おかしくなったか!?いつもおかしいけどな!」

素直:「え〜?だって、いるよ?」

天使:「あなたにだけ見えているのですよ。」

悪魔:「俺たちは普通の人間にゃぁ、見えないはずなんだよ。」

素直:「へ〜。君たちは誰?」

天使:「私は天使。あなたの良心を司ります。」

悪魔:「俺は悪魔。お前が悪いことをするのは、俺様が囁くからさ!」

津込:「何!?お前、何と話してるの!?」

素直:「天使と悪魔だって。」

津込:「・・・は?お前何言ってんの?」

素直:「ほら、津込の横に飛んでるじゃん。・・・あ、普通の人には見えないらしいよ?」

津込:「(キョロキョロする)・・・いないって!」

素直:「津込はなんでもない普通の人なんだねぇ。」

津込:「いや、お前に言われるとなんかムカつくな!」

天使:「ささ、素直。おうちに帰りましょう。」

悪魔:「楽しみだなぁ♪」

素直:「え?何が?」

悪魔:「俺たちの姿が見えるようになったってことは、俺たちはお前に直で影響を与えることができるってことだからさっ!」

素直:「直で?」

天使:「えぇ、素直に囁いて、あなたを善良な方にして差し上げます。」

素直:「へー!」

悪魔:「俺たちはお前の良心と悪心だからさ!」

素直:「うん!仲良くしようね!」

津込:「・・・おまえ、ずっと誰と話してるんだよ?」

素直:「え?だから、天使と悪魔。」

津込:「(ブツブツ呟く)・・・病院でもう一回見て貰うか?それとも家帰ってゆっくり休むのがいいか・・・。」

素直:「さっ!帰ろう、津込!」

津込:「え!?あ、あぁ・・・。」



(少しの間)



津込:「お前、金あるか?精算しなきゃ行けないけど・・・。」

素直:「うん!あるよ!」

津込:「じゃあ精算の列に並べよ。」

素直:「わかった!」

悪魔:「おっ!素直!列が長いな!割り込んでやろうぜ!」

天使:「素直、列が長いですね。お年寄りを先にさせてあげましょう。」

素直:「わかった!」

津込:「・・・え!?おいおいおい!?何やってんだ!?」

素直:「え?お年寄りを先にさせてあげようと思って。」

津込:「いやいや!それはいいけど、割り込むなよ!後ろに並べ!」

天使:「素直は素敵ですね。本当に優しい子。」

悪魔:「お前悪いヤツだなぁ!大人数を割り込みさせるなんて!見込みあるぜぇ!」

素直:「へへっ♪」

津込:「いやいやいやいや!お前ほんとに何やってんだよ!

あ、すみません!ちょっとこいつ頭おかし・・・、頭打ってて!ほんとごめんなさい!今どきますんで!」

素直:「えー?なんで邪魔するの〜?」

津込:「いや、考えればわかるだろ!?」

天使:「素直はいいことをしたんです。」

悪魔:「素直は自分の欲望に忠実になったんだ!」

素直:「僕、素直でいい子でしょ!」

天使:「はい!」

悪魔:「おう!」

津込:「おかしな子だよ!」

素直:「え〜!?」

津込:「あー!もう!俺が精算してくるから、お前はここで待ってろ!いいか?どこにも行くんじゃねぇぞ?ここにいろ!」

素直:「はーい。」


(津込、精算に行く)


悪魔:「素直、大人しく待ってる事ねぇよ!」

天使:「素直、津込をここでちゃんと待っているんですよ。」

素直:「うん!」


(素直、その場で不可思議な動きをする)

(叫んだり歌ったりしてもOKです。)


津込:「待たせたな・・・って、何やってんだ!?」

素直:「(大声)ちゃんとここで待ってたよ!!」

津込:「うるせっ!いや、そうだけど・・・、あぁ!迷惑かけてる!通行人に迷惑かけてるよ!!」

素直:「え〜?ちゃんと待ってたのに。」

天使:「そうです。素直はいい子でした。」

悪魔:「へっ!大人しくしてろっては言ってねぇだろ!好きなことしてただけだろうがよ!」

津込:「ジロジロ見られてる!お、おい、帰るぞ!」

素直:「はーい。」



(少しの間)



津込:「あとは家に帰るだけだから、1人で帰れるな?」

素直:「うん!」

津込:「・・・ほんとに大丈夫かぁ?不安なんだが・・・。」

素直:「大丈夫だよ!ついててくれてありがとね!」

天使:「私たちがついていますから、大丈夫ですよ。」

悪魔:「安心して委ねてくれ!」

素直:「うん!みんながいるから安心だね!」

津込:「・・・ほんとに大丈夫かよぉ・・・。」

素直:「津込、またね!」

津込:「あぁ、またな・・・。」


(津込、素直の後ろ姿を見送る)


素直:「ふんふ〜ふふ〜ん♪(鼻歌)」

悪魔:「あ!横断歩道の信号が赤だぜ!素直!どうせ車なんて、ビビって引けやしないんだから、渡ってやろうぜ!」

天使:「あら、横断歩道を渡ろうとしているおばあさんがいますわ。素直、危ないから手を引いて差しあげてください。」

素直:「わかった!」


(素直、おばあさんに駆け寄る)


津込:「何やってんだ、あいつ?」

素直:「おばあさん、危ないですから手を繋ぎましょう!」

津込:「え!?赤信号だぞ!」

素直:「大丈夫!車なんて、ビビって人を引けやしませんから!」

津込:「おいおい、まさか渡る気じゃないだろうな!?」

素直:「さぁ!一緒に渡りましょう!!」

天使:「素直はとっても優しい子ですね。」

悪魔:「素直は度胸があるよな!」

素直:「へへへっ♪」

津込:「お、おい!?素直!?車が来てるぞ!!

あぶなーーーーーい!!!」


(津込、おばあさんと素直を突き飛ばして、代わりに車にはねられる)


津込:「わぁぁぁぁぁぁぁ!!」



(少しの間)



津込:「・・・ん・・・?」

素直:「あ!津込!気がついた?」

津込:「あれ?・・・ここは?」

素直:「もう、心配したよー!」

津込:「あ・・・、俺、はねられて・・・?」

素直:「うん、僕を助けてくれたんだ。おばあさんも無事だよ。

素直:津込、本当にありがとう。」

津込:「・・・ほっ。よかった。」

天使:「本当に津込はいい子ですね。」

悪魔:「人が渡ってるのに突っ込んでくる車が悪いんだぜ!」

津込:「いやいや、さっきのは素直が信号が赤なのに渡ったからだろ!おばあさんまで巻き込んで!

津込:・・・・・・・・・え?」

天使:「あら。」

悪魔:「お前・・・。」

素直:「津込も天使と悪魔が見えるようになったんだ!おそろいだね!」

津込:「え!?・・・は!?」

素直:「津込の横にも、津込の天使と悪魔がいるよ!」

津込:「へっ・・・!?

(キョロキョロと周りを確かめる)ぎゃーーーーーー!!!」

天使:「(津込の天使)嬉しいわ、お話できるようになって。私はあなたの良心です。」

悪魔:「(津込の悪魔)一緒に悪いことしようぜっ!俺はお前の悪心だ!」

素直:「6人で、良い悪い子になろうね!」

津込:「・・・あぁぁあぁ・・・(失神)」

素直:「あれ?津込?」

天使:「(両方の天使)ふふふっ♪」

悪魔:「(両方の悪魔)ひひひっ♪」



END